茨城新聞 2025年04月03日掲載

「佐竹氏、日本屈指の大名」 本郷氏 茨城県ゆかりの歴史説く 水戸で茨城政懇
講演する本郷和人氏=水戸市宮町
茨城政経懇話会の4月例会が2日、茨城県水戸市宮町のホテルテラスザガーデン水戸で開かれ、東京大史料編纂(へんさん)所教授の本郷和人氏が「佐竹氏と徳川氏」をテーマに講演した。常陸国や水戸藩など茨城県ゆかりの歴史の流れを示しながら「佐竹氏や徳川氏は茨城県とつながりが深い大名」と説明。佐竹氏について史料があまり残されていない現状を指摘した。多くの貴重な史料を見てきた経験から「(佐竹氏に関する)数々の古文書が現存していたら国宝級レベル」とし「残念」と嘆いた。

鎌倉時代から江戸時代にかけての地域の勢力図を中心に解説。佐竹氏について「一番古い武家大名」とし、常陸国では「現在の同県常陸太田市を拠点に北部勢力を伸ばした」と説明した。豊臣政権下では、広大な領土や戦力面で重い役目を与えられた点などに触れ、「日本屈指の大名だと認められた証し」と私見を述べた。

徳川氏については、水戸とのつながりを軸に、武将の詳細な相関関係を例に出しながら、歴史をひもといた。地政学的な水戸の役割について、「中心地・江戸を守るための北の防衛ライン」とし、重責を担った点を強調した。