茨城新聞 2025年02月20日掲載

「今を楽しもう」 一龍斎貞さん 講談の魅力語る 茨城・神栖で鹿行政懇
講演する一龍斎貞弥さん=神栖市大野原
鹿行政経懇話会が19日、茨城県神栖市大野原のアートホテル鹿島セントラルで開かれ、講談師の一龍斎貞弥さんが「今が一番 人生100年時代を楽しむ」をテーマに講演し、「今を楽しんだ先に、いい未来が待っている」と訴えた。

一龍斎さんは落語と比較しながら講談師のルーツなどを紹介し、自身が講談師を目指した経緯を説明した後、真打ちになる前に血液のがんである悪性リンパ腫を患ったことに触れた。病気の前は「自分を大切にしていなかった」と振り返った上で、「病気によって人生観が変わった。人生を学び直すことができた」と心持ちの大切さを強調した。

世界幸福度ランキングで日本が51位という現状についても言及し、1位のフィンランドなどと比べ「自己肯定感が低いことが理由。自己肯定感を上げないと豊かな国にはなれない」と述べた。

物や金ではなく、心に重きを置いた人物が数多く登場する講談の魅力を語り、人生100年時代に向け「今この瞬間の積み重ねで未来が決まってくる。今何をやるかに集中して選び、今を楽しもう」と呼びかけた。