茨城新聞 2024年11月13日掲載

豊かな想像力発揮へ 慶応大教授・栗原氏、生成AI解説 水戸で茨城政懇
講演する栗原聡氏=水戸市宮町
茨城政経懇話会の11月例会が12日、同県水戸市宮町のホテルテラスザガーデン水戸で開かれ、慶応義塾大学理工学部教授の栗原聡氏が「生成AIが拓く未来」と題して講演した。栗原氏は「人工知能(AI)は道具。それを使う人次第。AIがアイデアを持ってきてそれを判断するのが人間の仕事」と強調した。

コンピューターが開発され人間の知的活動を行う機械を作る試みが始まり、AIという言葉が生まれて70年近くたつことを説明。「2021年11月にチャットGPTが発表された。開発に成功したことで、コンピューターやAIが人間の常識を扱えるようになり、70年前に始まったAIが実用化されるようになってきた」と解いた。

人とAIとの関係について、「人工知能が人間から仕事を奪うとかではなく、人がAIを使うことによってより豊かな想像力を発揮する」との見解を示した。

道具型AIから自律型AIへ時代が変わると予測。「自分で考える人工知能に変わろうとしている。当たり前のことをするために、ロボットは察知して先に動く。相手の状況を客観的、内面的に理解し適切に予測する」と説明した。