茨城新聞 2024年09月14日掲載

印の経済成長解説 西濵氏 日立で茨城県北政懇 過度な期待に釘も
講演する第一生命経済研究所の西濵徹氏=日立市旭町
県北政経懇話会の9月例会が13日、茨城県日立市旭町のホテル天地閣で開かれ、第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミストの西濵徹氏が「インドは中国に代わる世界経済のけん引役となるか」と題し講演した。拡大するインド経済や取り巻く状況について解説し「世界経済のけん引者は実はいない。下向いていく可能性が高まる中国の動きと、インドがどれだけ経済成長を頑張るかを、併せて見る必要がある」と見通した。

西濵氏は、インドの経済規模は20年ほどで8倍弱に拡大して国内総生産(GDP)が英国を上回り世界5位になったと紹介し、「数年後には日本やドイツも追い越す」と予想。中国を抜く人口の増加が原動力と指摘した。中国では輸出と固定資産投資が経済成長をけん引しているが「インドでは個人の消費が鍵になる」と違いを強調。GDPの半分以上をサービス業が占め「中国とは異形の経済成長を遂げている」と述べた。

日本企業のインド進出意欲は高まるが、同国の法制度の運用やインフラなど課題があるとした。将来、人口増のペースが鈍化することを踏まえ「過度な期待を抱くのは難しい」と冷静に分析した。