茨城新聞 2024年06月20日掲載

激戦6州、勝敗左右 渡辺氏 米大統領選を展望 茨城・神栖で鹿行政懇
講演する慶応義塾大の渡辺靖教授=神栖市大野原
鹿行政経懇話会の6月例会が19日、茨城県神栖市大野原のアトンパレスホテルで開かれ、慶応義塾大環境情報学部の渡辺靖教授が11月に迫った米大統領選について展望した。

まず、返り咲きを狙うトランプ氏と、再選を目指す現職のバイデン氏の不安材料をそれぞれ列挙した。トランプ氏については共和党内をまとめきれるかや、自身が刑事裁判を抱え選挙資金に影響が出ている点などに注目。バイデン氏に関してはインフレの行方や不法移民民問題、パレスチナ自治区のガザ情勢を挙げた。

具体的な勝敗の行方については、六つの激戦州の結果が全体を大きく左右するとし、中でも「ラストベルトと呼ばれる3州(ミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニア)が両陣営とも落とせない州だと思っている」と強調した。

現段階の情勢では、トランプ氏有利の世論調査が出ている点を踏まえ、仮にトランプ氏が復帰した場合についても言及。日本への影響に関しては「防衛費増額などが評価されている。新たな圧力をかけてくることはあまりないと思う。政策的な大転換が起きることを危惧しなくてもいい」と話した。