茨城新聞 2024年03月28日掲載

民主主義立て直しを 工藤氏 自民派閥裏金で強調 茨城・つくばで県南西政懇
講演する工藤泰志氏=つくば市吾妻
県南西政経懇話会の3月例会が27日、茨城県つくば市吾妻のホテル日航つくばで開かれ、民間シンクタンク「言論NPO」の工藤泰志代表が「日本の民主主義の劣化をどう立て直すのか」をテーマに講演した。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を念頭に「この国の民主主義は壊れるところまで来ている。これを立て直さないといけない」と語った。

ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区の戦闘など世界情勢が混沌(こんとん)とする中、日本は国内問題に明け暮れていると指摘。「出ている問題は裏金問題など政治家自身の話、内輪の論議だけ。政党はガバナンス不全なのに、運営費の大半に国民の税金(政党交付金)が投入されている」と強調した。

高まり続ける政治不信の内実について「政党の危機であって、政府の統治の危機ではない」と分析。民意が政治から離れるのを食い止め、民主主義を守るために「本当の政治改革が必要。有権者と政治の間の緊張関係をつくり直したい」と述べ、政党や選挙制度の抜本的な改革を真剣に考えるよう求めた。

11月予定の米大統領選については、トランプ氏の再選はないと予測した。