茨城新聞 2024年03月01日掲載

戦争映画、後世にヒント 立花氏 歴史や名作を解説 茨城・筑西で県南西政懇
講演する共同通信編集委員の立花珠樹氏=筑西市乙
県南西政経懇話会の2月例会が29日、茨城県筑西市乙のホテルニューつたやで開かれ、共同通信編集委員の立花珠樹氏(74)が「映画に見る戦争の記憶」をテーマに講演した。優れた戦争映画は「悲惨なことを二度としないためのヒントを与えてくれる」と語り、後世に果たす役割を伝えた。

立花氏は長く映画取材に携わり、多くの名優や監督にインタビューを重ねてきた。茨城新聞の連載コラム「もっと知りたい日本映画」を執筆し、映画評論家としても活躍する。

戦争映画の歴史について、ハリウッド映画の隆盛を背景に「第2次大戦を扱ったものが圧倒的に多い」と説明。その中で、ベトナム戦争を契機に「戦争の中でいかに人間が傷ついていくか」を描く作品が出始めたとした。

一方で日本の戦争映画は、原爆や悲惨な戦場、軍隊内の暴力・不条理を大きな主題としてきたと指摘。戦争責任に向き合った名作として、水戸市出身の映画監督、深作欣二さんの「軍旗はためく下に」を挙げた。

銃後の悲劇も生み出す戦争を繰り返さないため、かつての戦争体験を後世に伝えていく手段として「映画が持つ役割は大きい」と述べた。