茨城新聞 2021年05月14日掲載
県北政懇 「記者の見極め必要」 流通経大龍崎教授 災害報道の在り方解説

JNN三陸臨時支局での取材経験を語る龍崎孝氏=日立市旭町
龍崎氏はTBS政治部デスクだった2011年3月、志願して宮城県気仙沼市入りした。被災したホテルの一室に同支局を立ち上げ、被災地の惨状や人々の営みを、テレビカメラを通して伝えた。
龍崎氏は「民放で唯一、被災地のど真ん中に支局をつくり全国からスタッフを集めた。毎日中継を続けることが被災地を『忘れていない』という証しだと思ってやっていた」と振り返った。同市の子どもたちが被災体験をしっかり受け止めていることが分かり、「子どもの記憶が、その後の世代の命を守ると感じた」と命の重みが受け継がれていくことを実感した。
メディアと被災地との関係について「メディアが写さないものの方が、本当のことがある。カメラを向ける前に記者が見て回ってしっかり見極め、放送したり記事を書いたりすることが必要だ」と強調した。