茨城新聞 2020年10月08日掲載

エコノミストの永浜氏「GDP回復に時間」 コロナ禍の日本経済解説 水戸で講演 茨城政懇10月例会
「生活様式の変化に対応した分野の成長が見込める」と述べる永浜利広氏=水戸市千波町
茨城政経懇話会の10月例会が7日、水戸市千波町の水戸プラザホテルで開かれ、第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミストの永浜利広氏が「ウィズ・コロナ時代の日本経済の行方」と題して講演した。コロナ禍から日本の実質国内総生産(GDP)が回復するのに「回復力が弱い」として、時間を要する見通しを示す一方、デジタルインフラなど生活様式の変化に対応した商品開発が「経済の落ち込みを補う」と成長の可能性を示唆した。

永浜氏は2008年のリーマン・ショックと新型コロナウイルスの感染拡大による実質GDPへの影響を比較し、「リーマン・ショックでは中国など新興国への影響は小さかったが、今回は医療の供給が弱い新興国が大きな影響を受けた」と分析。その上で、「リーマン・ショックでは、回復に2年かかったが、コロナ禍からの回復には3年かかる」との見通しを示した。国内については「日本は患者数は少ないが、コロナに対する恐怖心が強く、回復力は弱い」と指摘した。

一方で、金融破綻を伴ったリーマン・ショックは全ての分野で成長が止まったものの、コロナ禍では巣ごもり需要やオンライン、デジタル化が成長が見込める分野とし、パソコンやスマホの非接触の操作技術などを開発した中小企業の成功事例を紹介。「新たな生活様式に対応した分野が恩恵を受け、経済の落ち込みを補う」と展望を示した。