茨城新聞 2026年04月15日掲載

地震前兆現象 予知に 長尾氏 「南海トラフ必ず」 日立で県北政懇
地震予知研究について解説する長尾年恭氏=日立市幸町
県北政経懇話会の4月例会が14日、茨城県日立市幸町のホテルテラスザスクエア日立で開かれ、東海大海洋研究所客員教授の長尾年恭氏が講演した。これまでの地震観測の統計や最新の地震予知研究について解説。「南海トラフ地震は確実に発生する」とし、前兆現象を予知に生かすことが重要だと強調した。

長尾氏は統計結果から、巨大地震発生の前には中長期的に内陸での地震活動が活発化すると説明。国内での地震活動の動きが近年加速していると指摘した上で、2024年1月の能登半島地震も「南海トラフの前触れと位置付けられる」との見解を示した。さらに、古文書の解読などに基づく研究によると、南海トラフ地震はマグニチュード9以上の超巨大地震になる可能性も否定できないとした。

近年明らかとなった巨大地震直前にほぼ確実に見られるとされる前兆現象についても紹介。震源地上約60キロ?千キロの電離圏域で電子密度の上昇が、地震発生の数十分前から人工衛星によって観測できるという。前兆現象の研究成果を実際の速報に生かすため、「気象庁が使えるシステムをつくることが急務」と指摘した。