茨城新聞 2025年02月27日掲載

「相手の心くみ取って」 講談師・日向さん 前座時代語る 茨城・筑西で県南西政懇
講談師としての心構えについて話す日向ひまわりさん=筑西市乙
県南西政経懇話会の2月例会が26日、茨城県筑西市乙のホテルニューつたやであり、講談師の日向ひまわりさんが「講談に描かれる『人の繋(つな)がり』」と題して講演した。前座時代に先輩から「相手の心をくみ取る努力がないと注意され、心構えが切り替わった」と語った。

日向さんは19歳で講談に初めて出合った。二代目神田山陽さんのファンとなり、「話を聞いて、長屋や戦場など目の前の景色が広がった」と話芸に感動し、弟子入りを決意した。

4年間の前座時代を振り返り、「365日の楽屋勤めで、先輩へのお茶入れ、着替えのお世話、衣装たたみ、太鼓たたきをしていた」と語った。「楽屋に出入りする200人のお茶の好みを頭に入れる必要があった。熱め、ぬるめ、味の濃いめ、薄めをそれぞれ覚えた。半年後にそつなく動けるようになったと自覚していた」と振り返った。

残り3年半も同じことをする必要があるのかと思っていた時、先輩から「先のことを考えて動いていないと指摘されて、心構えが変わった」と話した。

講演の間に、「安兵衛道場破り」「秋色桜」の講談話を披露し、拍手を浴びていた。